近年多様性のムーブメントによりトレンドの傾向が見えにくくなった昨今。
その中でも時代背景や経済の流れを受けさまざまな流行が生まれていることも事実です。
ここでは最新のトレンドを伝えながら新しい流行のながれを解説していきます。
2024年秋冬メンズファッションの全体像
2024-25秋冬のトレンドは、Y2Kの流れを汲んだストリートスタイルから、クラシカルスタイルへと移行していくといわれています。
そのクラシカルスタイルへの移行の流れを受けて、これまでトレンドだったワイドパンツが、細身のアンクルパンツへ。
もしくはストリートスタイル要素が進化して、ワイドシルエットからスーパーワイドなシルエットへと移行していく傾向にあります。
長年ストリートスタイルが主流だったことから、ブランドやお洒落上級者たちの意識が新たなスタイルへと向きだしているように感じています。
クラシックスタイルのトレンドがリバイバル
「そもそもおしゃれの定義とは?」というところから説明をさせてください。
おしゃれというものは服装や身なりに気を配る事だけでもおしゃれと言えるでしょう。
ただ、流行や音楽、スポーツ、娯楽などから受ける影響もありますし人それぞれおしゃれの定義も感じ方も違うので、一概にどれが正解かは言えないのが正直なところではあります。
現在長きにわたりストリートスタイルが流行り、皆がこぞって取り入れてきた昨今、いよいよトレンドが移り変わりクラシックトレンドが復活する流れになっていきそうです。
シューズトレンドで例えると、今まで主流だったスニーカーのブームは落ち着き、レザーシューズに移行していく流れですが、いわゆるただの皮のフォーマルドレスシューズというわけではなく、カジュアルなラバーソールがデザインされた革靴にアップデートされるなど新たなネオクラシックスタイルに進化していくでしょう。
英国紳士風グランパコア
グランパコア(grandpa core)」とは名前の通り「お爺さんが着ているようなファッション」を意味するスタイルで英国紳士の少しレトロでクラシックなアイテムを取り入れたファッションのことです。
特に、ヴィンテージ感のあるアイテムや、伝統的なシルエットを持つ服を好むスタイルとして人気です。
グランパコアの特徴的なアイテム
• カーディガンやセーター:暖かみがあり、少し古めかしい雰囲気のアイテム。チェック柄やツイード素材のもの
• パンツスタイル:ゆったりとしたフィット感のあるバレルシルエットパンツやクロップドサドルパンツが特徴
• レトロなシャツやポロシャツ:オックスフォードシャツやポロシャツ、襟付きシャツやボタンアップシャツが典型的
• ローファーやレザーシューズ:カジュアルさとフォーマルさが共存する靴が多く、長く愛用できるデザインが特徴
• アクセサリー:キャップやベレー帽、サスペンダー、腕時計など、レトロでシンプルなアクセサリーを取り入れること
参考ブランド:LOEWE、BURBERRY、FENDI
セットアップの新定義
今までセットアップというと、オフィスで着用するテーラードスーツやフォーマルスタイルのドレスを連想するかと思いますが
今年はビジネスシーンを彷彿とさせるスタイルを日常着に落とし込んだルックがトレンドになると言えるでしょう。
スーツスタイルに何か違和感のような変化をもたらしたディテールでアップデート。
例えば上は普通のテーラード仕上げでボトムスはショートレングスになっていたり、全体的にボクシーシルエットだったり、今までのセットアップスタイルとは一癖違うネオクラシックのルックが今年の特徴と言えます。
参考ブランド:Jil Sander、Dries Van Noten
カムバックウエスタン
「ウエスタンルック」とは、アメリカの西部開拓時代のカウボーイや牧場主たちが着ていたスタイルを基にしたファッションスタイルです。
このスタイルは伝統的なカウボーイの服装やアクセサリーを取り入れ、少し荒々しさやアウトドア感を感じさせるものが特徴です。
ウエスタンルックの特徴的なアイテム
• ウエスタンシャツ:ヨーク(肩部分)に装飾があり、刺繍やフリンジが付いていることが多く、チェック柄やデニム素材のシャツも代表的
• カウボーイブーツ:尖ったつま先とヒールが特徴的で装飾が施されていることが多く、レザーやスエード素材が一般的
• デニム:ジーンズやデニムジャケットが定番で特にストレートやブーツカットのデニムが象徴的
• レザーベルトとバックル:大きなバックルが付いたレザーベルトが特徴でウエスタンルックの要的アイテム
• カウボーイハット:つばが広く、頭をしっかりと覆う形状が特徴です。これは伝統的なウエスタンスタイルの象徴的なアイテム
• フリンジやスタッズ:ジャケットやシャツ、ベストなどにフリンジが施されているものが多く、ウエスタンならではの装飾でスタッズ(飾り鋲)が付いているものも特徴的
ウエスタンルックは映画や音楽(特にカントリー音楽)にも影響を受けており、カウボーイ文化やアメリカ西部の風景を思わせるスタイルとして愛されています。
今年は現代風にアレンジされ、より都会的なウエスタンルックがファッションのトレンドとして注目を集めています。
参考ブランド:LOUIS VUITTON
トレンドカラー
ファッショントレンド自体の傾向は似ているとしても男女によって異なるものの、トレンドカラーは男女で変わるものではなく、そのシーズンのフォーカスされているカラーと言えます。
今シーズンは比較的落ち着きがあり、ナチュラル系のスタイリングが流行することから色味も比較的落ち着いたカラーが主になると予測されます。
グレー
上記のトレンド説明でも伝えましたが、グランパコアやテーラリングがトレンドの軸となるので落ち着きのあるグレーカラーは自ずとキーカラーになるでしょう。
2024年のファッションにおけるグレーカラーのトレンドはシックで洗練された印象を引き出す重要な要素として注目されています。
グレーは無彩色でありながら、さまざまなニュアンスを持つため、多くの場面で活躍します。
以下は、2024年のグレーを使ったファッショントレンドのポイントです。
- ミニマリズムの台頭:
シンプルでクリーンなスタイルが引き続き人気で、グレーはその象徴的な色として位置づけられています。
淡いグレーからチャコールグレーまで幅広いトーンがミニマルなデザインに使われ、無駄を削ぎ落とした都会的な印象を作り出します。 - グレーのレイヤードスタイル:
異なるトーンのグレーを重ねて着るレイヤードスタイルがトレンドです。
ライトグレーのトップスにダークグレーのコートを合わせるなどグラデーションを意識した着こなしが人気。
これにより単色でも立体感や奥行きを演出できます。 - アスレジャーとグレー:
アスレジャー(スポーツとレジャーを融合したスタイル)でもグレーが多く取り入れられています。
特にスウェットパンツやフーディなど、リラックス感のあるアイテムにライトグレーやミディアムグレーが採用され、カジュアルかつスタイリッシュな印象を与えます。 - モノクロームコーディネート:
グレーをベースにしたモノクロームコーディネートも2024年の流行のひとつ。
グレーとブラック、ホワイトを組み合わせたシンプルなスタイルが、洗練された印象を強調します。
特にビジネスカジュアルからフォーマルなシーンまで幅広く対応できるのが特徴です。 - グレーのスーツ:
ビジネスウェアとしてのグレースーツも注目され、従来の保守的な印象から、よりモダンで都会的なデザインに進化しています。
オーバーサイズやダブルブレストのスーツ、ストライプやチェックのグレーパターンが2024年の新しいスタイルとして取り入れられています。 - グレーと鮮やかなカラーの組み合わせ:
グレーは無彩色のため、鮮やかなカラーとの相性が非常に良いです。
特に2024年はグレーをベースにしつつ、ビビッドなレッド、ブルー、イエローなどのアクセントカラーを加えたスタイルがトレンドとして登場しています。
これらの要素により、グレーカラーは洗練された印象と落ち着きを持ちながらも、ファッションにおける自由度と創造性を引き出す重要なカラーとして2024年のトレンドに位置付けられています。
ブラウン
2024年のファッションにおけるブラウンカラーは自然で温かみのあるトーンが引き続き注目されており、幅広いシーンで活用されています。
ブラウンはクラシックな色合いでありながら、近年はモダンな解釈で取り入れられています。
2024年のブラウンカラーのトレンドポイントは以下の通りです。
- アースカラーの継続的な人気:
2024年もウエスタンルックのトレンドも相まって自然を意識したアースカラーがトレンドとなっており、特にブラウンはその中心に位置しています。
キャメル、チョコレート、マホガニー、トフィなど、温かく落ち着いたブラウンの色合いが、リラックス感とエレガンスを融合させたスタイルに採用されています。 - ブラウンのモノクロームコーディネート:
異なるトーンのブラウンを使ったワントーンコーディネートが引き続き人気です。
濃いチョコレートブラウンからライトブラウンまでのグラデーションを取り入れ、洗練されたニュアンスのあるスタイルが好まれています。 - レザーアイテムのブラウン化:
ブラウンレザーは、ジャケット、バッグ、シューズなどのアクセサリーにおいて、特に注目されています。
キャメルブラウンのレザージャケットや、深いブラウンのブーツなどは、秋冬の定番アイテムとしてコーディネートに取り入れられることが多いです。 - ニュートラルカラーとの組み合わせ:
ブラウンは、ベージュやクリーム、ホワイトなどのニュートラルカラーと合わせることで、ナチュラルで優雅なコーディネートが完成します。
2024年は特に、ブラウンとクリーミーなニュアンスのカラーを組み合わせたスタイリングがトレンドになっています。 - ブラウンのテーラードスタイル:
ブラウンのセットアップやブレザーは、ビジネスカジュアルからフォーマルなシーンまで幅広く対応できるアイテムとして人気です。
特にオーバーサイズのブレザーやクラシックなチェック柄のブラウンスーツが新鮮な印象を与えています。 - ブラウンとビビッドカラーのアクセント:
2024年はブラウンにビビッドなアクセントカラーを加えるスタイルもトレンドです。
深いブラウンのコーディネートに、オレンジやマスタードイエロー、ターコイズブルーなどの鮮やかな色を差し色として取り入れることでモダンで個性的なスタイルが完成します。 - ヴィンテージ感のあるブラウン:
レトロでヴィンテージ感のあるブラウンも引き続き人気です。
70年代風のブラウンを取り入れたデザインや、スエード素材のアイテムなど、ノスタルジックな雰囲気を持つブラウンが多く登場しています。
これらのトレンドから、2024年のブラウンは自然な温かみを持ちながらも、都会的で洗練されたスタイルに進化しています。ブラウンはその多様な色合いにより、幅広いコーディネートに対応できる魅力的なカラーとなっています。
ワインレッド
赤紫系の色と言っても種類は数知れず。
メジャーな色で言うとワインレッドやボルドー、バーガンディという言葉を挙げられると思いますが
今シーズンはクラレットやオックスブラッドといった今まで出ていたボルドーカラーの新しい色味が多くのコレクションで発表されました。
情熱的な赤と違い、日本人にも馴染みのあるボルドーカラーではありますが今季は新しい色味に挑戦してみてもいいかも知れません。
・クラレット:赤ワインを少し薄く染めたような深い赤紫色
・オックスブラッド:直訳すると雄牛の血を意味する暗い色
・ボルドー:フランス南西部ボルドー一体で作られるワインの色を指しています。茶色味が強い赤色
・バーガンディ(ワインレッド):フランス東部のブルゴーニュ地方で作られるワインの色を指しています。明度が暗く紫味の強い深い赤色で、日本語で言うと臙脂(えんじ)色ともいいます
2024年秋冬のおすすめアイテム
レザーアイテム
秋冬といえば“レザー”が定番では?と思う方も多いかもしれませんが、今シーズンのコレクションには多くのブランドが過去一と言っても過言ではないほどにレザーウエアを発表していました。
ですが、特徴として今までレザーといえば代名詞でもあるライダースであったりボンバージャケットが主流であったにも関わらず、今年はそういうアイテムではなく、レザーブルゾンやパンツ、コートといった今までではあまりフォーカスされていなかったアイテムがレザーになって登場しました。
また、レザーも所謂黒いハードなものではなくヴィンテージ感漂うブラウンを少し褪させてたような色であったり、深めのボトルグリーンやワインレッドなどカラーレザーも多く発表されていました。
ウエスタンのトレンドもあり、ムートン系のレザーも多くのブランドが提案していたので再注目されるアイテムになること間違いないと言えるでしょう。
個性的なニット
ニットといえば秋服当たり前に着用するアイテムではありますが、近年のストリートトレンドの流れもあり、パーカーやスエットがメンズ秋冬の主要アイテムではありましたが、今年はクラシックトレンドということもあり、アーガイル柄やパッチワーク、ケーブル編みのカーディガンなどが再注目するアイテムと言えるでしょう。
他にもチェック柄や幾何学模様、リンクス織柄やループニット、異織ドッキングニットなど今までメンズラインにはなかったようなアイテムが主役になること間違いなしです。
マキシ丈コート
近年長らくストリートトレンドが続き、オーバーサイズなシルエットがトレンドになっていましたが、今年はクラシックスタイルのトレンドに移り変わるのでは?と言われているだけあって綺麗めなスタイルを完成させる主役級のロングコートが多く見受けられました。
丈感的には、くるぶしくらいまであるマキシ丈で、シルエットもオーバー過ぎないラインが特徴的。
海外の方々に比べるとアジア人は比較的小柄なので、今までロングコートを避けてきたという方も少なくないかもしれませんが、今年は思い切って新しく挑戦してみてはいかがでしょう。
まとめ – 2024年秋冬、メンズファッションのポイントを押さえよう!
いかがでしたか?
メンズはレディースと違い、アイテムの種類に限りはありますが着こなしやスタイリングによって様々なファッションを演出することができます。
特に2024年のメンズトレンドは大きな変革期に入ったと言われているので、新しいファッションに挑戦するにはもってこいなシーズンと言えるでしょう。
ファッションを通じて新しい自分と出会い存分におしゃれを楽しみましょう♪