Dries Van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン)はベルギー出身のファッションデザイナーであり、彼の名を冠したブランドである「ドリス・ヴァン・ノッテン」はモダンかつアヴァンギャルドなデザインで知られています。
Dries Van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン)のブランドはヨーロッパやアメリカだけでなく、日本でも非常に人気があります。
日本には2000年代初頭に上陸し東京をはじめとする主要都市で展開されました。
彼の独自性と芸術的なデザインが高く評価され、日本市場でも多くのファッション愛好者から支持を得ています。
以下は、彼のブランドの歴史と特徴についての概要になりますので、是非最後まで読んでいってください!
DRIES VAN NOTENとは? –ブランドのフィロソフィと創設者のクリエーション
“全ては自由のクリエーションのため”
広告を否定しスポンサーを持たず世界中に熱狂的なファンを持つ唯一無二な孤高のファッションデザイナー。
究極の美を創り出すインスペレーションの源は、揺るぎない信念と美しきテキスタイルへの徹底的な拘り。
そんな彼の魅力について徹底解説をします。
創設者の生い立ち
創業者はドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)。1958年ベルギーのアントワープで生まれました。
祖父の代から続くラグジュアリー製品を扱うブティックを経営する家系に生まれ、10代の頃から両親についていきパリやミラノに服の買い付けにいくなど、ファッションに携わる環境で育った彼がデザイナーへの道に進むことは自然な事だったのでしょう。
1977年:世界3代ファッション学校と言われるアントワープ王立美術アカデミーのデザイン科に入学します。
1986年:ロンドンコレクションに「アントワープシックス(Antwerp Six=アントワープの6人)」の一人として参加します。
これを機にメンズファッション工場のバックアップを得てドリスヴァンノッテンのコレクションの商品化へのチャンスを掴むことになります。
【余談】
アントワープ王立芸術アカデミー出身者で有名なデザイナーはラフシモンズ(現PRADAのディレクター)やマルタンマルジェラ、デムナヴァザリア(現バレンシアガデザイナー)、ハイダーアッカーマンなどファッション業界に名を馳せた面々を輩出しています。
ブランドの哲学
同名のブランド「DRIES VAN NOTEN」を1986年に設立しました。
ドリス氏は他の多くのデザイナーと異なり、個性的なテキスタイルを特徴としており、トレンドに左右されない独自のスタイルを築いています。
トレンドに依存することなく、洗練された美しさと着心地の良さを追求しています。
また、他の有名ブランドとは違い独立して経営を続けていることでも知られています。
多くのデザイナー達が大手大企業やファッションコングロマリットに所属する中、彼は自らのブランドをコントロールし、デザインから製造、販売までを一貫して手がけています。
この独自の経営スタイルは、彼の作品に対する強い信念とブランドの一貫性を保つための重要な要素です。
彼独自の作品が生まれる独自のプロセス
通常洋服を作る工程はデザイン画を描いてパターンを作り、適している生地を探し縫製が始まるのですが
ドリス氏の場合はデザイン画の前に素材から選択を始め、服づくりを開始します。
世界中から様々なテキスタイルが彼の元に届けられ、一番はじめにモデルにサンプル布地を当てて、色柄や配分バランスを探すことから服作りを始めるのです。
この型破りな服作りのクリエーションは彼以外には出来ないと言っても過言ではないでしょう。
だからこそ難しいとされる柄物や色物の作品であっても彼の感性によって、絶妙に合わせられているからこそ決してやりすぎにならず上品に仕上げられていると言っても過言ではありません。
ファッション業界では柄物の衣類は、かなりハイリスクな作品作りであると言えます。
というのも柄物やインパクトが強い作品は一度着てしまうとインパクトが強すぎて飽きがきてしまいます。
にも関わらず彼が創り出す作品は10年、20年着続けたいと思わせる魅力が詰まっていて、10年前の服を着用しても決して古く感じることはありません。
『時代を超えたタイムレスな服作りを目指している。一度きて飽きてしまう服ではなく持ち主と一緒に成長できる服。持ち主の個性の一部になってほしい』
とドリス氏も語っているようにトレンドに左右されるのではなく独自の観点から作り出される彼の作品は色褪せることなく、永遠に着続けられる証と言えるでしょう。
作品の魅力と特徴
DRIES VAN NOTENの魅力は彼が作り出す衣服が単なるファッションの枠を超え、文化的で芸術的なメッセージを伝えている点にあります。
1. 色彩と柄の独自性
DRIES VAN NOTENは豊かな色彩と大胆な柄を使うことで知られています。
彼の作品には複雑なプリントや独自のカラーパレットが多く、これが独特な美学を生み出しています。
例えば、ビビッドな色使いと落ち着いたカラーを組み合わせることで、斬新でありながら調和のとれたデザインを表現しています。
各コレクションで異なる文化や時代の柄が取り入れられており、異文化の融合が独自の魅力を生み出しています。
インドやアジア、中東の伝統的なテキスタイルからインスピレーションを得たことも多く、民族調の雰囲気を持ちながらも洗練されたデザインに仕上げています。
2. クラフツマンシップとディテール
DRIES VAN NOTENは職人技を重んじ、細部にこだわった丁寧な仕立てが特徴です。
例えば、手刺繍やビーズ装飾、刺繍レースなどのディテールが随所に施され、各アイテムが手作業で丁寧に作られています。
また、彼は大量生産に頼らず高品質な素材と技術を用いることで、作品に長寿命と価値を持たせることを重視しています。
このため、彼の作品は長く愛用できるものとして、多くのファッション愛好者に支持されています。
3. タイムレスなスタイル
DRIES VAN NOTENは流行に流されないタイムレスなデザインを目指しています。
彼の作品はシーズンごとに新しいアイディアを取り入れつつも、あくまでトレンドを追うのではなく、永く着続けられるデザインを重視しています。
コレクションの一貫性と共通のテーマが見られることも多く、同時に個性的でユニークな表現が多様に展開されています。
例えば、過去のデザインとの繋がりを保ちながら、新たな要素を巧みに組み合わせる手法が古さを感じさせずに新鮮な印象を与えています。
4. 自然への敬意とサステナビリティ
ファッション業界において持続可能なアプローチを模索しているデザイナーの一人がドリス氏です。
過度な消費に対する疑問を抱き、できるだけ長く愛される高品質な製品を提供することで、持続可能なファッションを実現しようとしています。
また、ショーの演出にもサステナブルな視点が取り入れられ、過度に派手なプロダクションや無駄を避ける方針をとっています。
このようなエシカルな価値観は彼の作品やブランドへの信頼性と価値を一層高めています。ご自身の自宅には広大な庭を所有し自然からインスピレーションを受けて作品作りをしているというのは有名な話です。
5. アーティスティックな世界観
DRIES VAN NOTENのデザインにはしばしば詩的で芸術的な要素が取り入れられています。
彼は自身のクリエイティビティを存分に発揮し、コレクションごとに新しいストーリーを語るような表現を行っています。
アートや音楽、文学など、幅広いインスピレーション源が彼のデザインに反映されており、シンプルな衣服としての機能を超え、着る人にインスピレーションを与える作品を生み出しています。
このようなアプローチが彼の作品に唯一無二のオーラをもたらしています。
6. 独立性と自己表現
DRIES VAN NOTENは企業資本に頼らず独立したデザイナーとして活動を続けており、その自由な表現がデザインにも反映されています。
商業的なトレンドやマーケットの圧力に影響されず、純粋に自身のビジョンを表現し続ける姿勢が多くのファンに支持されています。
ブランド立ち上げから今までの軌跡
1986年:ロンドンコレクションでブランドデビュー
1989年:アントワープの中心に最初のフラッグショップ(Modepaleis)をオープンします
このストアは繊維取引所を改装して立てた3階建てのもので現在ではアントワープのファッションブティックの代表的な名所と言えます。
その後、世界出店2店目となる旗艦店が東京の南青山で開店するも輸入代理店だったライカとの契約終了に伴って2003年1月には閉店することになります。
1991年:パリのメンズコレクション(1992年春夏)に参加。
1993年:レディース分野でパリコレクションに参加。
1996年:最初のキッズ服コレクションを発表するなど徐々に活動領域を広げていきます。
2000年:6万フィート四方の大きな6階建ての元印刷物保管倉庫に会社を移転。
また、ドリス氏は若手デザイナーの育成・支援にも力を注ぎ、A.F.ヴァンデヴォースト、アンジェロフィギュスのデビューにも貢献しています。
2009年:3月には再び東京の南青山に旗艦店をオープンさせており、その運営は株式会社トゥモローランドが代行。
2014年:伊勢丹メンズ10周年を記念してBE@RBRICKとコラボ。
2015年:大阪の御堂筋にショップをオープン。
2018年:フラグランスを手掛ける大手PUIG(プーチ)グループの傘下に加入。
※PUIG(プーチ)は、COMME DES GARCONS、PRADA香水やNINA RICCIも手掛けている会社です。
2018年:ドキュメンタリー映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』が日本にて公開。
これまで密着取材を断ってきたドリス氏に2015年春夏ウィメンズコレクションの舞台裏から2016-17年秋冬メンズコレクションの本番直前まで約1年間に渡って密着しています。
2024年:6月をもってドリス・ヴァン・ノッテン氏がデザイナー退任。
2025年春夏メンズコレクションが最後のシーズンになることを発表。ウィメンズに関してはデザインチームが引き続き展開することが決定しました。
DRIES VAN NOTENの現在と影響
ドリス氏が退任しブランドがどのような進化を遂げていくのか、これからのブランドの発展が非常に楽しみになってきた昨今、現在の活動などを簡単に解説いたします。
退任後のデザインチームの活動
ドリス氏がデザイナーとして退任後、ご本人が一線を退いたと残念がる声が未だ収まることがない昨今ですが…
実は!毎週何度となくアトリエに足繁く通い、デザインチームをフォローしているようです。
現在デザインチームのサポート役としてドリス自身が“ドリスヴァンノッテン”のアイデンティティを今もなお継承し続けています。
近年の動きと展望
2025年には日本にてブランド直営として新たなフェーズに入ります。
今後、日本でも出店ラッシュの可能性もあるかもしれません。つまり販売員としての枠が増え、あなたもドリスの一員になれるチャンスが見込めるかも。
今後のブランドの動きを随時注目していくといいでしょう。
関連記事:アパレルブランドごとの転職事情|転職エージェントを使うべきタイミングとは?
主な製品展開
現在はwomen’s、men’s、fragrance、makeupなどを軸に商品展開をしています。
women’sはコレクションラインをはじめ、ウエアやバッグ、シューズ、ファッションアクセサリーと幅広く展開。
men’sも同様にコレクションラインをはじめ、ウエアやバッグ、シューズ、ファッションアクセサリーと幅広く展開しています。
fragranceはオードパルファム、オードトワレ、クリームや石鹸など多種類にわたり展開。
makeupは口紅をメインとし、コスメグッズなども展開しています。
まとめ – DRIES VAN NOTENの魅力
魅惑のベールに包まれていた孤高の天才ブランド“DRIES VAN NOTEN”
これからの未来へ繋いでいく今後の新生ドリスヴァンノッテンの進化と活躍に非常に期待できると言えるでしょう。
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