「外資系アパレルブランドの接客で英語は必要?」
「販売で簡単に使えるフレーズを知りたい!」
「アパレルの英語力を鍛える勉強方法を教えてほしい」
このような疑問にお答えします。
都市部のアパレル店舗や外資系アパレルブランドで働きたいと考える人の中には、どれくらい英語が必要なのか知りたい人も多いでしょう。
実際、観光地の店舗では外国人のお客様も多いですし、英語を話す場面も増えつつあります。
そこでこの記事では、アパレル販売員として接客する際に英語はどの程度求められるものなのかを詳しく解説します。
また、接客で使える英語のフレーズや勉強方法も紹介し、将来外資系ブランドを目指す方向けにポジション別に必要な英語力もお伝えします。
ご自身のキャリアを描く中で、英語力は転職の突破口にもなることもあります。
キャリアアップや転職活動中の方は、記事を読んでぜひ参考にしてみてください。
アパレル店員の接客に必要な英語とは?
そもそも英語スキルは必要なのか?
アパレル業界では、たとえ外資系ブランドで働くからといって、英語や中国語などの語学スキルが必須というわけではありません。
しかし、以下の2つの観点から、語学スキルがあると良いとされています。
まず1つ目は、海外からのインバウンドのお客様対応を行い、販売ができることで顧客づくりや売上貢献ができる点です。
近年、日本を訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、特に都市部のアパレル店舗では英語での接客機会が増えています。
英語での接客ができることで、外国人のお客様に対してより良いサービスを提供することができ、結果として売上の向上が見込めます。
2つ目は、将来的にキャリアアップを目指せる点です。
外資系ブランドは海外本社があるブランドがほとんどです。
そのため、将来的にオフィスポジションへキャリアアップを目指す際に、本国とのやりとりで語学力を活かすことができます。
店舗での販売職から本社での企画職やマネジメント職への転身を考えている方にとって、英語力は大きなアドバンテージとなるでしょう。
現場で本当に必要な英語力
語学のスキルがあるとキャリアには役立ちますが、アパレル店舗の現場では、基本的に「日常英語 + 販売フレーズ」で十分なケースが多いです。
ネイティブ並みの英語力は不要で、どれだけシンプルに伝えられるかが重要なポイントとなります。
完璧な文法や高度な語彙よりも、お客様に商品の魅力を伝えて、スムーズな接客ができれば問題はありません。
むしろ、笑顔とジェスチャーを交えたコミュニケーション力の方が重視される傾向にあります。
言葉が通じないことがあっても、身振り手振りや表情でお客様とのコミュニケーションを円滑に進めることができれば、十分に良い接客が可能です。
TOEICは必要?スコアよりも評価されるポイント
採用において、TOEICスコアを求める企業は確かにありますが、販売職であれば必須ではありません。
実際の接客場面では、英語を使えるかどうかの方が重視される傾向があります。
企業側としても、TOEICで高得点を取得していても実際の接客で英語を使えない人材よりも
スコアは低くても「英語で会話ができるか」や「お客様にあった対応力」を持つ人材を評価する傾向があります。
つまり、テストの点数よりも、実際にお客様と英語でコミュニケーションを取り、満足していただける接客ができるかどうかが重要なのです。
アパレル接客で使える英語フレーズ集(状況別)
では実際に、接客の場面別でよく使える英語フレーズを紹介します。
アパレル接客では、完璧な文法より「短く・簡潔に・伝える意識」が大切です。
そのことを踏まえて定番のフレーズを覚えましょう。
入店時のあいさつ・声かけ英語例
お客様が入店された際の基本的なあいさつや声かけは、接客の第一印象を決める重要な要素です。
以下は、声かけで使える英語フレーズです。
“Welcome to our store.”(当店へようこそ。)
こちらはどのような店舗でも使える基本的なフレーズです。
明るい笑顔とともに使うことで、お客様に歓迎の気持ちを伝えることができます。
“Please let me know if you need any help.”(何かお困りのことがございましたら、お声がけください。)
お客様に安心感を与える丁寧な表現です。
ゆっくり商品を見たい雰囲気のお客様に対して、適度な距離感を保ちながら伝えましょう。
“Are you looking for anything in particular?”(何かお探しのものはございますか?)
お客様のニーズを把握するための質問です。
この質問をすることで、お客様が何を求めているのかを聞き出して、適切な商品案内につなげることができます。
その他にも、新作商品やプロモーションなどで使える英語のフレーズもあります。
“We have some new arrivals today.”(本日は新作も入荷しております。)
“We’re currently offering a promotion on selected items.”(一部商品でプロモーションを実施中です。)
声かけが英語でできるようになると、商品提案へと会話をつなげやすくなります。
サイズ・試着の案内表現
サイズ確認や試着案内は、アパレル接客の中でも特に重要な場面です。
“What size are you looking for?”(どのくらいのサイズをお探しですか?)
“May I ask what size you are?”(サイズをお伺いしてもいいですか?)
これらはお客様のサイズを確認する際の基本的な質問です。
この後に、“Small, Medium, or Large?”のように具体的な選択肢を提示すると、お客様も答えやすくなります。
“You can try it on in the fitting room.”(試着室でお試しいただけます。)
試着を促す際の丁寧な表現です。
試着室の場所を指差しながら案内すると、より分かりやすく伝えられます。
“This size runs a bit small.”(このサイズは少し小さめです。)
“This size runs a bit large.”(このサイズは少し大きめです。)
これらは、ブランドやアイテムによってサイズ感が異なる場合に使える便利なフレーズです。
また上記以外にも、試着や購入を進める際に使えるフレーズがあります。
“Would you like to try a different size?”(別のサイズをお試しになりますか?)
“This would look great on you.”(とてもお似合いになると思います。)
機会があれば、実際に使ってみてください。
支払い・返品・在庫確認の英語対応
在庫確認やお会計などのシーンでは、正確な情報伝達が求められます。
その際に使用できるフレーズには以下のようなものがあります。
“Let me check if we have it in stock.”(在庫があるか確認いたします。)
在庫確認を行う際の丁寧な表現です。
確認後は、“We have it in stock.”(在庫がございます。)もしくは“Sorry, we’re out of stock.”(申し訳ございませんが、在庫がございません。)などのように結果を伝えましょう。
お会計では、支払い方法を確認する際の基本的な質問として次のようなフレーズが使えます。
“Would you like to pay by cash or card?”(お支払いは現金になさいますか、それともカードになさいますか?)
クレジットカードの場合は、“Could you please insert your card?”(カードを挿入してください。)のような案内も覚えておくと便利です。
“This item is tax-free for tourists.”(この商品は旅行者の方は免税になります。)
免税対象のお客様に対して情報をお伝えするフレーズです。
パスポートの提示が必要な場合は、“May I see your passport?”(パスポートを拝見できますか?)と続けます。
これらの他に、以下のようなフレーズもあります。
“We accept credit cards and electronic payments.”(クレジットカードと電子マネーがご利用いただけます。)
“You can return or exchange it within 7 days with the receipt.”(レシートがあれば、7日以内に返品または交換が可能です。)
お支払いが完了し、お店を出られる際は以下のフレーズを使ってみてください。
”Thank you for coming! Have a nice day.”(ご来店ありがとうございました!良い1日をお過ごしください。)
“Please come and visit again.”(またお越しください。)
ここで紹介した接客でよく出てくるフレーズを覚えてしまえば、要所で必要となる会話ができるようになり、外国人のお客様対応が格段にしやすくなります。
スムーズに接客できるようになるために、まとめて覚えてしまいましょう。
外資系ブランドで働くために必要な英語力
ここからは、外資系アパレルブランドで働くのに求められる英語力を職種別に紹介します。
外資系アパレルの接客で求められる英語力とは?
外資系アパレルの接客スタッフには、ネイティブレベルの英語力は必須ではありません。
それよりも実践的な英語力が求められます。
重要なのは、お客様とのコミュニケーションを円滑に行い、満足していただける接客ができることです。
英語力に加えて、笑顔・ボディランゲージ・おもてなし精神も重要視される傾向があります。
言葉だけでなく、表情や身振り手振りを使って、お客様に親しみやすさや安心感を与えることが大切です。
ただし、店長クラスになると面接で英語の質問などがある場合もあります。
これは、本社とのやり取りや、外国人スタッフとのコミュニケーションが必要になるためです。
【職種別】外資系ブランドが求める英語レベル
販売スタッフ
販売スタッフに対して明確な英語力の基準はなく、面接でも英語力について問われることはほとんどないのが現状です。
ただし、接客対応を想定した「リスニング・スピーキング力」が重視される傾向があります。
上記で紹介した、実際の業務で必要な「試着案内」「サイズ確認」「支払い説明」などの定型フレーズが中心となります。
これらのフレーズを正確に使い分けることができれば、十分に業務を行うことが可能です。
完璧な英語力よりも気負わず、お客様が親しみやすく、分かりやすい接客ができることが評価されます。
重要なのは、自分が目指すブランドや職種の要求レベルを事前に把握することです。
店長(ストアマネージャー)
店長職も英語が必須というわけではありません。
ただし目安として紹介するなら、TOEICで750点以上あると良いでしょう。
これは店舗運営において、本社とのメールや会議、売上報告書の作成などが発生する場合があるためです。
また語学力はキャリアアップや良い評価につながることもあります。
お休みの時間や隙間時間を利用して、定期的に学習しておきましょう。
本社ポジション(エリアマネージャー、VMD、HR、PRなど)
本社のポジションにおいても、TOEIC750点以上が目安とされています。
それぞれのポジションに合った英語力が必要で、具体的には職種別に以下のような場面で英語が必要となります。
エリアマネージャー
複数店舗の売上やKPIを本国に英語でレポートする必要があります。
また、外国人スタッフとのコミュニケーションも重要な業務の一つです。
数値データを正確に伝え、戦略的な議論ができる英語力が求められます。
VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)
VMDには、海外本社のガイドラインの理解や日本向けにローカライズする業務があります。
また、海外のVMD担当者とのメール・会議でのやり取りも頻繁に発生します。
デザインやレイアウトに関する専門用語を理解し、クリエイティブな提案ができる英語力が必要となることが多いです。
HR(人事)
人事レポートを英語でまとめて提出する業務が発生することがあります。
加えて、本社の労務方針の確認や、社内ルールを国内向けに修正する作業も行います。
法的な内容や制度に関する英語を理解し、翻訳・要約できる英語力があると良いです。
PR(広報)
PR職では、本国・海外PRチームとのキャンペーンや戦略のメール・会議が日常的に発生します。
また、英語で届いたリリースの日本語化や、日本発信のものを英訳する業務、海外イベント対応なども担当します。
マーケティング用語や広報に関する専門知識を英語で理解して、発信できる能力が必要です。
外資系ブランドで評価されるポイント
実際に外資系ブランドで語学力が評価されるポイントは以下のような点です。
英語が流暢かどうかよりも、「現場で使えるかどうか」が評価される
繰り返しとなりますが、外資系ブランドにおいても、英語が流暢かどうかより「現場で使えるかどうか」が評価されます。
以下のようなスキルや姿勢が高評価につながります。
・明るくハキハキと話す
・英語での接客経験
・聞き取れないときに丁寧に聞き返せる
・英語が苦手でも使う努力をしていることを伝えられる
仮に英語が苦手だとしても、使う努力をしていることを伝えられることも重要です。
完璧でなくても、お客様のために一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿勢は高く評価されます。
キャリア形成にも英語力は有利に働く
キャリア形成においてはもちろん英語力がある方が有利に働きます。
本社登用への道が開けるほか、インバウンド戦略の主担当や通訳的な役割へのステップアップも可能です。
さらに、他ブランド・他国市場への転職で大きなアドバンテージとなります。
次の章で紹介する学習方法を参考にして、アパレル業界で必要な英語を鍛えましょう。
アパレルに必要な英語力を鍛えるための学習方法
ここでは、アパレルで働く人におすすめの学習方法を紹介します。
忙しい販売職向け
販売職の方は勤務時間が不規則で、まとまった学習時間を確保するのが難しい場合が多いです。
そのような方におすすめなのが、通勤時にポッドキャストや英会話アプリを活用する方法です。
移動時間を有効活用することで、無理なく継続的に学習を進めることができます。
また、シチュエーション別のフレーズを1日1つ覚える習慣をつくることも効果的です。
少しずつでも着実に語彙を増やしていくことで、実際の接客場面で使えるフレーズが身についていきます。
重要なのは、発音して音で覚えることです。
実践するときに口から出やすくなるよう、声に出して練習することを心がけましょう。
英語アプリ・YouTubeの活用
休日など時間がある時には、英語アプリやYoutubeなどで勉強することをおすすめします。
特に、接客シーンにフォーカスした教材を選ぶことで効率的に学習を進めることができます。
たとえばYouTubeでは、接客英語のフレーズの動画チャンネルを視聴することが効果的です。
実際の接客シーンを想定した動画を見ることで、フレーズの使い方やタイミングを具体的に学ぶことができます。
その他にも、オンライン英会話を利用したり、普段から外国人の友達を作ったりするなど、英語を自然と話す環境を作ることも大切です。
日常的に英語に触れることで、英語に対する抵抗感が減り、自然なコミュニケーションができるようになります。
学んだら実践する
学習した内容は、実際の接客場面で使ってみることが最も重要です。
外国人のお客様に対して実際に使って接客をすることで、学習した内容が定着し、実践的なスキルとして身につきます。
接客をしたらその後にメモを取り、復習→改善のサイクルを回してレベルアップしていきましょう。
うまくいかなかった部分や、お客様の反応を記録しておくことで、次回の接客に活かすことができます。
最初はうまくいかなくても、継続的に実践することで確実にスキルアップしていきます。
お客様も、一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿勢を評価してくれることが多いです。
また、近年は外資系ブランドで社内に英語学習システムがある会社も多くあります。
社内に学習環境がある人はそれも利用しましょう。
英語力を身につけることで広がるキャリアパス
最後に、アパレル接客で英語力を活かすことで、どのようなキャリアの可能性が広がるのかを紹介します。
英語を習得することで、外資系ブランドへの転職・昇進、さらには専門職へのステップアップなど多様な選択肢が実現可能です。
外資系ブランド転職の先にあるキャリア
販売職で英語ができる人材は、店長・エリアマネージャーに昇格しやすい傾向があります。
この傾向は、特に外資系アパレルブランドに顕著です。
外資系では本国(例:アメリカ・フランス・イタリアなど)のマネジメント層や本社と英語でやり取りをする機会が多く
社内資料や研修も英語が基本であるケースが少なくありません。
そのため、英語での読み書き・会話に長けた人材は、スムーズに本社とのコミュニケーションをとれる即戦力として高く評価されます。
また、外国人スタッフの雇用がある店舗では、英語での指示出しやトラブル対応など、現場での語学力がマネジメントに直結します。
さらに、海外本社でのブランド研修や海外展示会(ファッションウィークなど)に参加するチャンスも、英語力がある人に集中する傾向があります。
これによって、業界の最新トレンドやグローバルなブランド戦略に触れることができ、キャリア形成において他者と差をつけられるのです。
英語を活かせる他のキャリア
英語力を身につけることで、販売職以外の専門職・社内のサポート職への道も開けます。
具体的には、以下のようなキャリアが考えられます
インバウンド対応専任スタッフ
訪日外国人が増加する都市部や観光地の店舗では、英語での接客・案内ができるスタッフが重宝されています。
特にラグジュアリーブランドや免税対象店舗では、英語での販売スキルが売上に直結するため、英語対応スタッフにインセンティブが支給されるケースもあります。
バイリンガル販売スタッフ/通訳販売スタッフ
英語・日本語の両方を話せるスタッフは、海外顧客との商談や商品説明、または本社との会議通訳など、販売を超えた業務でも活躍できます。
最近では、「通訳販売職」や「接客通訳」といったポジションを設ける企業もあります。
接客トレーナー/英語教育担当
英語での接客スキルを他のスタッフに指導するポジションです。
研修マニュアルの作成や社内勉強会の企画運営など、教育・育成に携わる専門職としてのキャリアが築けます。
将来的には教育担当マネージャーや研修部門への異動も視野に入れることが可能です。
まとめ:英語力を身につけて、アパレル販売のキャリアを広げよう
以上、アパレルでの接客英語から英語力を活かしたキャリアアップについて紹介しました。
アパレル販売の接客現場では簡単だとしても話せる英語が大切です。
完璧な英語力よりも、お客様とのコミュニケーションを円滑に行い、満足していただける接客をすることが何よりも重要です。
また、接客英語を学ぶことで日々の仕事の幅が広がります。
外国人のお客様に対してより良いサービスを提供できるようになり、売上向上にも貢献できます。
そして、英語力は将来的なキャリアアップ・転職にも大きな武器になります。
店長職や本社ポジションへの昇進、他ブランドへの転職など様々な可能性が広がります。
ご自身の英語力を活かして、「外資系ブランドへの転職に挑戦したい!」という方がいましたら、ぜひアプライムへご相談ください。
アパレル業界専門の転職エージェントとして、あなたのキャリアアップを全力でサポートいたします。